賃貸契約の入居審査は日数・期間はどのくらい? 審査に落ちる理由・審査が遅くなる要因を不動産会社が解説

最終更新日 2023年07月26日
賃貸契約の審査は日数がどのくらいかかる? 審査に落ちる理由・審査が遅くなる要因を不動産会社が解説

気に入った賃貸物件に申し込みをしたけれど、1週間たっても入居審査の結果の連絡が来ない……。もしかして落ちたのでは、と不安になりますよね。そこで、入居審査にかかる日数の目安と、遅くなってしまう要因や審査に落ちてしまう理由を賃貸物件の管理会社に長年勤務しているハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんに聞いてみました。

入居審査でチェックされる項目

まず最初にチェックされるのは、入居者支払い能力

気に入った物件に申し込みをすると、契約前に「入居審査」にかけられます。自分が入居者としてふさわしいかどうかの審査ということは分かるけれど、具体的には何をチェックしているのでしょうか?

「入居審査でチェックされるのは、家賃を滞納せずに払ってくれそうかどうか、さらにトラブルを起こす心配がなさそうかどうか。なかでも特に見ているのは、入居者の支払い能力です(連帯保証人が必要な場合は、連帯保証人も)」

ここでいう支払い能力とは、勤務先、年収、勤続年数、退職している場合は年金を受給しているか、受給している場合は金額、持ち家の有無など、入居者と連帯保証人のさまざまなチェック項目を総合的に判断したもの。

「例えば、入居者本人がまだ若い、転職したばかりなどで年収が低い場合も、連帯保証人となるお父さんの年収に問題がなければ、審査に通りやすくなることも。反対に、連帯保証人が退職していたとしても、年金収入の目処や有無、退職前の勤務先や役職の社会的信用度なども判断材料となり、さらに入居者本人の支払い能力が高ければOK、ということもあります。
連帯保証人の自宅が申し込み物件と近いこともプラスになります。滞納トラブルなど何か困ったことが起きたときに連帯保証人に相談しやすいからです。電話連絡が付きにくい方も多いので、自宅が近いと管理会社としては安心感があります」

入居審査でのチェックポイントまとめ

【支払い能力としてチェックされる項目】
□勤務先
□年収
□勤続年数
□家族構成
□年齢
□保証人、保証機関の可否(保証人がいれば保証人の年齢や収入)
□退職している場合は年金を受給しているか、受給している場合は金額、持ち家の有無など

保証会社利用のみと保証会社+連帯保証人、一般的なのは?

現在は保証会社を利用するのが一般的で、大家さんや管理会社の希望で「保証会社必須」という物件もあります。もし保証会社のほうから、さらに連帯保証人をつけてくださいと言われた場合は「保証会社+連帯保証人」とすることもありますが、こういうケースは少ないようです。また、保証会社と連帯保証人のどちらが審査に通りやすいというものでもないようです。

審査に必要な書類と情報・準備するもの

入居審査に必要な「入居申込書」には、次のような内容を記載する必要があります。

入居申込書に記載する内容

□ 入居者の住所、電話番号、メールアドレス、生年月日など
□ 勤務先の名称、業種、所在地、電話番号など
□ 入居者の年収、勤続年数など
※連帯保証人をつける場合は、連帯保証人の上記情報も
※連帯保証人をつけない場合は、緊急連絡先となる人の住所や電話番号などが必要

上記を記載した「入居申込書」だけで審査するケースも多いですが、次の書類などの提出を求められることもあります。

□ マイナンバーカード・運転免許証などの公的身分証明書
□ 所得証明書(源泉徴収票等のコピー) ※収入の証明が難しい場合

また、一般的には契約時に必要になることが多いものですが、 審査時に提出を求められることもあるなど、入居審査の必要書類は保証会社や審査される人の状況などによっても異なります。
□ 住民票(発行から3カ月以内の原本・借主全員のもの)
□ 連帯保証人の印鑑証明書(発行から3カ月以内の原本)

入居審査にかかる日数は? 時間がかかるのはどうして?

入居審査にかかる日数は、一般的に3~10日前後などといわれますが、なぜばらつきがあるのでしょうか。「理由はさまざまですが、最も多いのは申込書に不備がある、というケースなんです」と伊部さん。

申込書には、上記のようにたくさんの情報を書き込む必要がありますが、いざ親の情報を書こうと思っても、勤務先の社名や電話番号、生年月日などは意外と知らない人が多いはず。まして親の年収なんて、聞かなければ分からないどころか、聞くのにちょっとした勇気がいるものですよね。

でも、申込書の空欄が埋まらないと、審査は始まりません。だから「部屋探しを始めたら、(連帯保証人が必須の場合は)審査に必要な連帯保証人の情報集めもスタートさせるのがオススメ。申し込みの時点で必要な情報がそろっていれば、審査は効率的に進みます。具体的にどんな情報が必要なのかは不動産会社の担当者に確認しましょう」

ただし、審査に日数がかかる要因は、書類の不備以外にもあるそう。

「例えば大家さんが忙しい、長期不在にしている、不動産会社の担当者が不慣れで、何度も大家さんとやりとりしているなどといったケースもあります。もし、何かしら審査に落ちそうな要因があって長引いているのであれば、それを確認するための連絡が入るはずです。かかると言われた期間を過ぎても担当者から連絡がなかったら、遠慮せずに連絡を入れてみましょう」

申込書に不備などが多いと、申し込み手続きがスムーズにいかないことを示すイラスト
申込書は不備なく情報を埋めよう!書き方がわからなければ必ず不動産会社に確認しよう(イラスト/つぼいひろゆき)

自分は大丈夫だと思うけど……審査に落ちる人って何がNG?

審査を通らないケースで最も多いのは、支払い能力が不十分と見なされたとき。それ以外には、どんな要因があるのでしょうか。

「大家さんによって、家賃を滞納しなければそれでいいという考えの人もいますが、それだけではない人も。例えば、自分も同じ建物に住んでいる、物件への愛着が強い、過去に騒音クレームを経験した大家さんなどは、マナーのいい人かどうか、という観点を重要視する傾向があります」

そして不動産会社でも、この人は安心して大家さんに紹介できる人かどうか、といった点を重視しているのだそう。

「物件を案内している段階から権利を主張しすぎる人、クレーマーになりそうな人などは、大家さんにオススメしないことも。逆に、年収などの条件があまりよくなくても、マナーがよく、約束を守ってくれる人などは、プラス情報としてお伝えすることもありますよ」

入居者の事情、大家さんのこだわりなどによってケースバイケースですが、よほど家賃が収入に見合わなかったり、不動産会社の担当者とのやり取りをする際や内見時に問題行動を起こしたりしていなければ基本的には大丈夫といえそう。申し込みまでに情報をそろえておくのが一番だけれど、審査に時間がかかってしまったら、遠慮なく不動産会社に問い合わせてみましょう。

過去に借金の返済の滞納があった人は?

過去に借金があっても、普通に返済していれば問題ありません。「ただ、返済が滞って信用情報に傷がつくと、7年は履歴が残るので、その信用情報を保証会社が見ていると、審査は通りません。自分の信用情報はインターネットで照会することができるので、心配な人は以下のような信用情報が確認できるサイトで確認してみるのもいいでしょう」

無職、学生、個人事業主・自営業、アルバイト・フリーター、派遣社員の場合は?

収入や職業が安定していない場合でも、家賃を払っていける能力があることを示すことで審査が通りやすくなります。「例えば無職なら貯蓄の証明として通帳のコピーを提出する、学生なら親が援助してくれることを証明する、個人事業主・自営業なら確定申告書のコピーを提出する、アルバイト・フリーターや派遣社員だけれど長く勤めているなどの情報を伝えるのもプラスになります」

もし審査に通らなかった場合は?

不動産会社も契約したいので、もし審査に通らなかったとしても、さまざまな手段を検討してくれます。「保証会社を変えてみる、というのも手段のひとつ。保証会社はたくさんあり、チェックする信用情報そのものが違います」。さらに厳しい・甘いといった審査基準も違うので、A社では落ちてもB社では通る、というケースもよくあるのだそう。

また、「大家さんによっても審査の基準は違うので、保証会社じゃなくて連帯保証人を2人つけてくれればOKなどというケースもあります」

このように、ひとつの物件で審査に通らなかったからといって、次もその次も通らないというわけではないので、あきらめずに次の手を打ちましょう。

保証会社を変更したら審査が通った人のイメージイラスト
保証会社を変更すると審査が通る場合も…?不動産会社に相談してみよう!(イラスト/つぼいひろゆき)

審査に通りやすくするためのポイント

まず大前提として、無理なく家賃を支払い続けていける物件を選ぶこと。一般的には手取り月収の20~30%くらいが目安といわれています。

そして、保証会社の審査に通ればOKというわけではありません。「審査に通る前から、礼金の値引きやフリーレントの交渉をするなど、あれこれ要求が多い人は、入居した後のお付き合いを考えると印象が悪くなってしまう可能性も」

また「なかにはきちんとした人に住んでもらいたいという気持ちが強い大家さんもいるので、書類のやりとりも丁寧に。たとえば申込書の空欄がなかなか埋まらない、字が殴り書きで読みづらい人などはあまりいい印象を持ってもらえないケースもあります」

上手でなくても、読みやすく書いてあるかどうかが大事で「きれいな申込書はものすごく好印象。履歴書を書くようなつもりで書きましょう。最近はオンライン上で申込をすることも増えてきましたが、誤字脱字をなくす、情報を漏れなく詳しく入力する、約束の期日までに送信する等、好印象を与える方法はあると思います」

まとめ

審査ではさまざまな情報をもとに結果が判断されます。準備が必要な書類などもあるので、前もって不動産会社に確認しておこう

自身の情報に不安がある場合でも、保証会社を変更したり、連帯保証人をつけることで審査が通りやすくなるケースも。不動産会社に相談してみよう

審査に通りやすくなるために、無理のない範囲で支払える物件を選ぼう。また、期日までに書類を提出する、などの最低限のマナーは守ろう

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取材・文/前川ミチコ SUUMO編集部 イラスト/つぼいひろき
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