ペットと暮らす住まい ここをチェック！～マンション（集合住宅）編 環境

「ペット飼育可」といっても、何でもOKというわけではありません。「飼育していいのは小型犬だけ」「飼育は2頭まで」など、条件がつけられているケースがほとんどです。また、共用部分でのペットの扱いも集合住宅によって異なり、細かなルールが決められているのが実情です。「専用庭で犬を遊ばせたいからと入居したのに、庭にペットを出すのは禁止だといわれてガッカリした」「大型犬の飼育は認められていないと管理組合から指摘されてしまった」など、事前に細則までしっかり確認していなかったことによるトラブルは少なくありません。入居前には、「ペットの飼育が許可されているか」だけでなく、具体的な条件やルールがどうなっているのかまでしっかり確認をしましょう。ちなみに、建築中に入居者を募るような新築マンションの場合、細則までできていないケースもあります。その場合は、どういう方向性なのか随時、不動産業者や管理業者に確認しておくといいでしょう。
また、入居時に審査がある場合があります。一般的には、ペットの写真や予防接種を受けた証明などの書類を届け出ればOKですが、事前に面接などがある場合もあります。届けの仕方や審査の有無についても確認しておきましょう。

また、入居時に審査がある場合があります。一般的には、ペットの写真や予防接種を受けた証明などの書類を届け出ればOKですが、事前に面接などがある場合もあります。届けの仕方や審査の有無についても確認しておきましょう。

既に入居者がいる賃貸マンションや中古マンションを検討する際、専有部分（室内）だけでなくチェックしておきたいのが、コミュニティとして機能しているかどうかです。ペット共生型マンションを除く多くのペット可マンションでは、ペットを飼っている人の割合は1～2割程度なのが相場です。つまり、大半の入居者はペットを飼っていません。それだけに、既に入居しているペットオーナーのマナーが悪いと、入居後、しっかりルールを守っていても疑いの目を向けられないとも限りません。そんな目に合わないためにも事前確認が必要です。

ポイントは「管理人や不動産業者への質問」「共用部分の状態のチェック」の2点です。管理人がいる場合は、ペットの飼育に関する規約について質問してみると判断できます。細則までしっかり説明してもらえた場合は、システムが機能していると判断してOKです。あわせて苦情状況について聞いてみるのもいいでしょう。賃貸の場合は、管理会社や大家さんに同じく質問してみましょう。

次に共用部分の状態ですが、エントランスなどの共用スペースが清潔か、掲示板にはどのような掲示物がはられているのか、また整理されているか、自転車置き場はきちんとしているかといったポイントをチェックしてみましょう。

また、最近では、ペット倶楽部のようなペット飼育者を対象に飼い主同士が情報交換したり、マンション内でのマナー向上を目指すサークルへの参加が義務づけられているケースもあります。そういったサークルの有無はもちろん、ある場合はどんな活動をしているのかを含めてヒアリングをしておくとも大切です。

ペットの飼育をサポートする専用の施設・設備や、サービスは、ペットと快適に過ごしたい人にとっては魅力的ですが、その分、施設維持の名目で月々の共益費が高めに設定されていたり、施設使用料が必要なケースも少なくありません。施設面の充実度ばかりでなく、費用についても事前に確認しておきましょう。

賃貸住宅の場合、最も大きなトラブルになるのが、退去時の原状回復です。常に掃除を心がけていても、独特のニオイや汚れ、床のキズなど、飼っていない人に比べ修繕が必要になる箇所や範囲が大きくなるのは仕方ありません。ペット飼育を許可している物件の場合、敷金を通常より1か月上乗せしたり、1か月分は償却する仕組みにするなど、退去時に新たな負担をお願いしなくてもいいよう配慮している不動産業者もありますが、それでも状況によっては新たな負担を求められるケースもあります。あらかじめ確認をし、退去時のことを考えて準備をしておくことも大切です。ちなみに、クロス張替えの目安は部屋の広さにもよりますが、2～30万円程度といわれています。ファミリータイプなど広めの住まいなら、ペットが入れるエリアを限定することで大掛かりな原状回復が必要な場所を制限し、費用を縮小することもできます。