入居者が決まりやすくなるよう、また、気持ちよく入居してもらえるよう、賃貸開始時期に合わせてリフォームやハウスクリーニングをして、物件の魅力をアップさせておこう
家は年を経るにつれて古びていくもの。人間が暮らすことで汚れや故障、劣化も生じる。貸主自身で住むぶんには気にならなくても、第三者が見て気になる部分は取り除いて一新しておくとよい。賃貸経営は人に家を貸して成り立つ商売なので、入居者が気持ちよく暮らすことができる物件であることが、安定した収入にもつながりやすいからだ。
リフォームするのは貸主自身が退去してからすぐに行うとよい。暮らしていたままの状態を入居希望者に見てもらうより、一新した状態のものを見てもらうほうが入居者が決まりやすいからだ。 リフォームやルームクリーニングの有無や規模は、築年数などによって異なるが、アンケート結果によると「クリーニング会社によるルームクリーニング」を行っている人が過半数。リフォームでは「壁紙の張り替え」が4割強で一番多い結果となった。
■リフォームやクリーニングの実施度(複数回答)
■リフォームやクリーニングの費用
リフォームやルームクリーニングにかかった費用については、これも築年数や規模によって金額が異なるが、アンケート結果によると、実施した人の半数以上が50万円未満と比較的少額だった。なかには大規模なリフォームが必要だったのか、600万円ほどかけた人もいた。
リフォームやルームクリーニングは、自分で直接依頼するほうが安く上がるかというと、そうでもない。また、職人やリフォーム会社、クリーニング会社を探して依頼するのは意外と手間や時間がかかる。それに、そこの技術力がどうなのか、仕上がりはどうなのか直接知らないので、多少の不安も生じる。ではどうすればよいかというと、仲介や管理を委託している不動産会社を通じて頼むのがよい。不動産会社は、賃貸物件のリフォームやルームクリーニングの手配を日常的な業務として行っているので手慣れているし、依頼先の職人やリフォーム会社の腕前を熟知している。さらに、汚れが目立たない壁紙など賃貸物件としてオススメの素材や住宅設備などについて知識があったり、賃貸に出すならここは修繕すべきという部分についてアドバイスしてくれることもある。貸主自身が立ち会えなくても、リフォームの現地見積もりなどに立ち会ってくれたりもするので安心だ。貸主は、引越しなどで多忙な面もあるので、手間いらずで気楽でいられる。
リフォーム会社などに出してもらった見積もりの内容を確認して、貸主自身が納得すれば、正式にリフォームやクリーニングを依頼しよう。
賃貸経営を賢く行うためのノウハウや豆知識、成功のためのコツなどをご紹介いたします。
文/金井直子 監修/中村喜久夫(株)不動産アカデミー